一般に、前走で好走した馬は人気になりやすく、前走を凡走した馬は人気を落とす傾向があります。
しかし、前走で見せ場もなく負けた馬が、次走で鮮やかに巻き返す ― これもまた競馬の日常でしょう。
今回は前走着順とレース結果の関係に着目し、競馬に潜む神話的構造を再構築して行こうと思います。
次に表すのは、2003年から2007年までの5年間に行われたJRA平地重賞596レースに出走した全出走馬の成績を、前走着順別にまとめたものです。
| 前走着順 | 出現数 | 1着数 | 2着数 | 3着数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
| 前走1着 | 2400 | 225 | 211 | 194 | 9.4% | 18.2% | 26.3% |
| 前走2着 | 883 | 97 | 77 | 78 | 11.0% | 19.7% | 28.5% |
| 前走3着 | 726 | 69 | 58 | 54 | 9.5% | 17.5% | 24.9% |
| 前走4着 | 687 | 38 | 53 | 48 | 5.5% | 13.2% | 20.2% |
| 前走5着 | 579 | 36 | 42 | 46 | 4.5% | 9.5% | 21.4% |
| 前走6着 | 513 | 21 | 35 | 30 | 4.1% | 10.9% | 16.8% |
| 前走7着 | 470 | 29 | 14 | 22 | 6.2% | 9.1% | 13.8% |
| 前走8着 | 437 | 16 | 20 | 24 | 3.7% | 8.2% | 13.7% |
| 前走9着 | 385 | 15 | 22 | 23 | 3.9% | 9.6% | 15.6% |
| 前走10着 | 336 | 9 | 12 | 16 | 2.7% | 6.3% | 11.0% |
| 前走11着 | 312 | 8 | 12 | 18 | 2.6% | 6.4% | 12.2% |
| 前走12着 | 283 | 7 | 11 | 12 | 2.5% | 6.4% | 10.6% |
| 前走13着 | 229 | 7 | 9 | 8 | 3.1% | 7.0% | 10.5% |
| 前走14着 | 194 | 9 | 10 | 6 | 4.6% | 9.8% | 12.9% |
| 前走15着 | 135 | 2 | 5 | 3 | 1.5% | 5.2% | 7.4% |
| 前走16着 | 113 | 5 | 1 | 5 | 4.4% | 5.3% | 9.7% |
| 前走17着 | 56 | 2 | 2 | 5 | 3.6% | 7.1% | 16.1% |
| 前走18着 | 39 | 0 | 2 | 3 | 0.0% | 5.1% | 12.8% |
重賞レースに限定したのは、私が重賞レースしか予想しないのもあるのですが、降級馬の可能性を排除するためです。
さて、このデータを見ると、やはり前走を好走している馬の成績は安定し、前走着順が悪くなるほど成績は緩やかに下降しています。
ところが、その下降線は非常に緩やかで、前走が二桁着順でも、まだ連対率で5%以上をキープしているのです。
連対率5%ということは20頭に1頭は連対するということですから、これはかなり高い数字です。
前走4着馬が勝つ確率と前走16着馬が連対する確率がほぼ同水準といえば、おそらく多くの人が驚くのではないでしょうか。
つまり、前走着順というのは思っているほどには結果と直結せず、むしろ前走惨敗したことだけを理由に軽視すると、手痛いしっぺ返しを喰らう可能性があるということです。
前走で見せ場なく凡走した馬より、鮮やかに勝っている馬を信用したくなるのは人情です。
人気というのは競走馬の能力のバロメータですから、「前走で負けた=弱い」という心理が少なからず働くはずで、前走で負けた馬が人気を落とすのは、自然な現象と言えるでしょう。
しかし、クラス分けによって能力の拮抗した競馬の世界では、僅かな条件の違いで大きく着順も変動するものです。
一度の敗戦であっさり見限るのではなく、負けたからこそ追ってみるというのも馬券的戦略としては有効ではないでしょうか。
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