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2006年凱旋門賞観戦記

本日の日本時間の深夜、メイショウサムソンが凱旋門賞に挑戦しますね。
ディープインパクトが勝つ瞬間を現地まで見に行った人間としては、正直複雑な心境ではあるんですが(笑)、持論としてはディープインパクトよりメイショウサムソンの方が凱旋門賞への適性はあると思うので、ぜひ好走してもらいたいところです。

さて、ブログ移転の際に失われてしまった記事の一つに、2006年凱旋門賞の観戦記があるのですが、今回はいい機会なので、これをサルベージしておきます。
本当は「ゆめのりょけん」の方に移転しようと思ったのですが、あちらに載せるにはあまりにもヘビーな内容だという妻の批判に遭い、やっぱりこっちに載せることにしました。笑。
凱旋門賞が発走するまでの読み物として、楽しんでもらえたら幸いです。

ちなみに、凱旋門賞観戦の詳しい旅行記は、ゆめのりょけんの方にありますので、興味があれば併せてご覧ください。
第一次フランス遠征開始

ディープインパクトはなぜ負けたのか?

ディープインパクトはなぜ負けたのか?

フランスから帰国して一週間、自分なりにディープインパクトの敗因を考えてはみるのだが、どうにもしっくりこない。

例えば、斤量差。
一番わかりやすい敗因であるし、レース直後は自分も「斤量差がなければ勝ってたなあ...」とは思った。
しかし、果たして我々が期待したディープインパクトとは、わずか3.5キロの斤量差で負けるような馬だったのか。
斤量差があるのは初めからわかっていたことだし、この程度の斤量差なら問題にならないと思って観戦していたはずである。
それが、半馬身差で負けたから「斤量差が大きかった」というのでは、どうにも後付けくさい。

例えば、スローペース。
確かに凱旋門賞はペースが遅く、いつもより前からの競馬を強いられた。これがディープのリズムを狂わせた可能性は否定できない。
しかし、ディープインパクトはスローからの瞬発力勝負で最もパフォーマンスを発揮するタイプである。
スローで前を捕らえきれなかったと言うならまだしも、最も得意なはずのスローペースで、しかも後ろから差されるというのは納得できないところもある。

例えば、早仕掛け。
ディープインパクトが抜け出すタイミングが早かったのではないかという指摘もある。
結果的に言えば、もう少し仕掛けを遅らせて、後ろから追う形になっていれば、際どく勝つことができていたのかもしれない。
しかし、帰国後、NHKのVTRを見たが、追い出すタイミングはいつもと同じ、下手をするとやや遅いようにも見えた。
もともと強引に仕掛けるタイプであるし、早仕掛けこそディープインパクトの持ち味と言ってもよい。
それが、最後に失速したから仕掛けが早かったというのも、なんとなく納得できないものがある。

以上の敗因は、ディープインパクトが負けた理由としては、いずれもそれなりに納得できる。
どれか一つでもうまく克服していれば、勝つことだけはできていたかもしれない。
負けたのが僅差だっただけに、そういうわかりやすい敗因に未練が残るのはやむを得ない。

しかし、多くの日本人が期待したディープインパクトとは、文字通り「凱旋門に衝撃が走る。」ことだったのではなかろうか。
ただ凱旋門賞に勝つことだけにはとどまらず、日本で見せていたようなパフォーマンスによって勝つことを期待したのではなかろうか。

そうなると、先に挙げたような敗因ではいかにも弱い。
日本でのディープインパクトは、決して斤量差によって負けるような馬ではないし、ペースに左右されるような馬でもないし、早仕掛けで失速するような馬でもない。
何より、ディープインパクトが後ろから差されること自体がありえない。

そう考えていくと、やっぱり今回のディープインパクトは「飛ばなかった」のだ。
NHKのパドックで岡部が「落ち着いていていい雰囲気」と評していたが、ディープインパクトに限って言えばパドックで落ち着きすぎているのはあまりよい兆候ではない。
極限に作ったダービーでのパドックは落ち着いているとは言いがたい状態だったし、3歳時に最も落ち着いているように見えた有馬記念ではディープインパクトらしい見せ場も作れずに敗れた。
レース中も有馬記念の時に感じたのと同様、動きにソツがなさすぎて平凡な馬の走りを見ているようだった。

道中はゆっくり進んで、早めにスパートし、抜け出してからは他馬の闘争意欲を失わせるまで突き抜ける。
そういういつもの走りができなかったのは、ディープインパクトの中で何か走るための衝動が足りなかったからだろう。
それは、環境の違いかもしれないし、近走とは異なる調整過程かもしれないし、あるいはまた別の何かかもしれない。
それを海外での競馬の難しさと言ってしまえば一言だが。
最悪のシナリオは、海外遠征でリズムが狂い、集中状態が途切れてしまった可能性すらある。
しかし、それはディープインパクト本人に聞いてみなければわからない。

結局、ディープインパクトはディープインパクトの中の理由で負けたのだ。
そう敗因を求めるのが、自分としては最も納得できる。

ちなみに、日本の競馬と凱旋門賞の構造がまったく違うのは十分承知である。
それでもディープインパクトなら、変わらぬパフォーマンスができると期待していたし、実際に万全の状態なら可能だったと思っている。
残念ながら、11日にディープインパクトの年内引退が決定し、それを証明する機会は永久に失われてしまったが...。

よって、今回の考察では、あえてその「構造の違い」という点には触れていない。
「ディープですら勝てないのでは日本馬は苦しい」という声も聞かれるが、自分はまったく悲観していないし、むしろ近い将来あっさり勝てるだろうとさえ思っている。
構造的に合うとは言いがたいディープインパクトが、平凡なパフォーマンスしか発揮できなくても3着したのだから、凱旋門賞に合った馬を連れて行けば、十分に勝てる見込みはあるだろう。
次回はそのあたりの考察をしていこうと思う。

日本馬凱旋門賞制覇へのシナリオ

日本馬凱旋門賞制覇へのシナリオ

前回はディープインパクトに内在する敗因について書いたので、今回は外的要因というか、凱旋門賞というレースそのものについての考察を加えたい。

自分は常々、現代の日本のチャンピオンホースが凱旋門賞を勝つ可能性はかなり低いと思っていた。
だから、今回のディープインパクトの凱旋門賞挑戦も、周りの盛り上がりほど楽観視していたわけではない。

ハーツクライのキングジョージの時にも書いたことだが、ヨーロッパの競馬で要求されるのは一瞬の切れ味ではなくスピードの持続力であって、言わば軽さよりも重厚でジリジリと伸びてくるような末脚である。
日本の競馬なら上がりが35秒後半までかかるようなレースで強い馬がヨーロッパで強いはずだが、残念ながらここまで足が遅いと、現在の日本競馬ではなかなかチャンピオンにはなりえない。
なぜなら、現代の日本競馬でチャンピオンになれるのは、極限の上がりが使える馬、すなわちスローペースからの瞬発力勝負に適性のある馬だからである。
今年こそ上がりのかかる異例の展開になったので少々事情が異なるが、通常日本ではダービーもオークスも33秒台の上がり勝負で最も高いパフォーマンスを見せる馬が勝つ。
要するに、ヨーロッパと日本では、競走馬に求められる資質が違うのである。
だから、凱旋門賞馬が意気揚々とジャパンCに挑戦してもことごとく4着前後に終わるのであり、日本では使い物にならないサドラーズウェルズが向こうではトップサイヤーとして君臨するのであり、かつて「神の馬」とまで称されたラムタラは日本では悲劇的とまで言える産駒成績しか残せないのである。
また、凱旋門賞の前日に、前走で1000万条件を負けていたピカレスクコートが、G2のダニエルウィルデン賞で2着したことも示唆に富む。
日本で適性を見せれば見せるほど、強いチャンピオンであればあるほど、ヨーロッパのトップレースで求められる資質とはかけ離れていくという矛盾。
こうした点から、強烈に速い上がりをその身上とするディープインパクトは、いわば現代日本競馬の申し子とも言える存在であり、ヨーロッパが求める競馬とは最もかけ離れた存在と言えるのだ。

さらに、過去の凱旋門賞の結果を見れば一目瞭然だが、凱旋門賞は3歳馬が有利なレースである。
今年で85回を迎えた凱旋門賞史上、3歳馬の優勝は実に53回。
これは、もちろん斤量差というのも一因だろうが、さらに大きいのは鮮度の問題だろうと思う。
過去、凱旋門賞連覇を成し遂げたのは5頭だけで、しかもそのうち4頭は1960年以前。最後に連覇を成し遂げたアレッジドですら1978年の馬である。
世代を経てサラブレッドの能力が向上し、全体のレベルが限界近くに達し、出走馬の実力が拮抗すればするほど、鮮度は大きくものを言う。
今年もハリケーンランが連覇に挑んだが、2走前のキングジョージでは強さを見せていたものの、2度目の凱旋門賞では見せ場なく敗れた。
逆に、わずか4戦目で凱旋門賞を制したラムタラは、そのキャリアの浅さを賞賛すべきではなく、むしろまだフレッシュな4戦目だったからこそ勝てたというべきなのかもしれない。

さて、こうした点を踏まえて、日本馬が凱旋門賞を勝つためのシナリオへと話を移そう。
「ディープインパクトでも勝てないのでは...」と嘆息まじりの声もあるが、自分は日本馬が凱旋門賞を勝つというだけなら、それはそれほど難しくないと思う。
要するに、日本の最強馬を連れて行くから勝てないのであって、純粋に凱旋門賞への適性が高い馬を連れて行けばいいのである。
速い上がり勝負では切れ負けし、ハイペースの消耗戦にならないと勝てない馬。
重賞クラスの能力はあるが、日本のG1ではなかなか勝ち切れない馬。
現段階では、こういう馬こそ凱旋門賞を勝つ資質があると思う。
もちろん、挑戦するのは鮮度の高い3歳時。
メイショウサムソンやカワカミプリンセスは、今年連れて行けばディープインパクトに先着していたどころか、勝っていたのではないかとすら思う。
あるいはバランスオブゲームが3歳時に凱旋門賞に挑戦していれば、楽勝していたような気すらする。

ディープインパクトという馬は、これまで折に触れて記事にしてきたように、日本競馬の構造をことごとく超越している存在であって、その神速をもってすればこうした構造をも飛び越えるかもしれないと期待した。
自分はそのイレギュラーな瞬間こそを観に行ったわけだが、残念ながらそれは叶わなかった。
そこには、あまりにも納得できる結果と、凱旋門賞そのものに対する「絶望」が残った。
いずれ日本馬は凱旋門賞を勝つだろう。
しかし、もはやそのことに大した意味があるとは思えない。
2006年10月1日は、日本競馬にとって凱旋門賞の権威が失墜した日でもある。
だから、ディープインパクトの引退が決まった今、自分はもう二度と凱旋門賞当日のロンシャン競馬場に足を運ぶことはないだろうと思うのである。

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Comments:2

もやこ 2008年10月 8日 21:07

ごきげんよう。
確かにヘビーな内容だわ♪
競馬を理解出来る人でないとドン引きかも(*´∇`*)

凱旋門賞といえばエルコンドルパサーですね。
距離の融通、ダート・芝、日・仏の芝の違いも問題にせず
先行して突き放す完全無欠なサラブレッドだったと個人的には思ってます。
もし古馬になっても日本で走っていたら勝負付けがついていた
グラスワンダー、スペシャルウィークとの差はどうなったでしょうね?

ディープインパクトは残念でしたが必ずしも日本で強い馬が
通用するわけでもなさそうですよね。
バランスオブゲーム、強そう(笑)

サーチライト 2008年10月 9日 22:50

もやこさん、こんばんは。
エルコンドルパサーについては私も一家言あるんですが、ネットで書くにはちょっと繊細な内容なもので、ノーコメントとさせていただきます。笑。
メイショウサムソンはちょっと気の毒な競馬になっちゃいましたね。
フォルスストレートを回った辺りではほんの一瞬だけ見せ場があったので、スムーズならもう少し走れたような気がします。
まあ、それにしてもザルカヴァの強さは反則でしたが。笑。

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